現代と伝統が共存する常滑市中心部
知多半島の中西部に位置する常滑市は、中部国際空港の開港以来、近隣に大型ショッピングセンター、結婚式場、国際展示場が次々とオープンして、開発が進んでいる地域です。
そんな現代的なイメージとは対照的に、常滑市には古くから窯業が盛んな地域として知られているという伝統的な一面があります。常滑は、「日本六古窯」と呼ばれる中世から続く代表的な(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)の陶器の生産地の1つに数えられており、さらに古常滑と呼ばれる初期の常滑焼は、その六古窯の中でも最古といわれています。
現在、開発が進む常滑市のりんくう地区にほど近い場所に、常滑市の観光スポットである「常滑やきもの散歩道」があります。昭和の街並みを残し、実際に使われていた登窯跡やレンガ建ての煙突を見ることができます。また、2008~2009年にかけて公開されて話題となった映画「20世紀少年」のロケ地でもあります。
コースにはAコースとBコースがありますが、人気が高いのが、所要時間が短く歴史的景観を楽しむAコースです。
招き猫がお出迎え
まずはスタート地点の「陶磁器会館」から。会館内では常滑焼が展示販売されています。散歩道のマップもここで手に入ります。
ここの駐車場に車を留めてから散策に向かう人が多いです。土日祝日のみ料金が500円かかりますが、平日は無料です。
陶磁器会館のすぐ隣が、「とこなめ招き猫通り」と呼ばれているスポットです。

陶磁器会館のある通りの壁に沿って、個性豊かなかわいい招き猫のオブジェが並んでいます。
この通りにかかる橋の側に、上から見下ろすように大きな招き猫がいます。名前は「とこにゃん」
これを見た子どもたちは大喜びでした。とこにゃんの前(写真右下)にいる猫たちもかわいいです。そして猫たちのいるすぐ下が、招き猫通りの壁です。
迷路のような坂道
散歩道のルートを進んでいくと、路地に入り迷路のような細い坂道が続いています。
子どもたちがはしゃぎながら、探検気分で散策する様子が見られました。
素敵なお店がいっぱい
カフェ、お土産屋さん、陶器のアトリエなど、古民家を改装したお店がところどころにあります。お店を一軒ずつ巡るのも楽しそうです。マップを参考してもよし、歩きながら探してもよし、隠れ家的なお気に入りのお店を見つけるのも楽しみの1つです。

陶器でできた坂道
やきもの散歩道の象徴ともいえる「土管坂」とよばれる坂です、陶器の土管や焼酎瓶が道の左右の塀に積まれて埋め込まれています。

土管坂から(写真の右側)坂道を上がって行くと、一見昭和の民家のような「土管坂休憩所」があります。海風が涼しく心地よいので、散策途中の休憩の場所にはぴったりです。この休憩所のトイレの奥を上がって行くと女性専用のパウダールームがあるのですが、レトロな雰囲気の贅沢な空間です!ご覧ください。

土管坂の次は、「でんでん坂」という名前がついた坂があります。ここにも陶器の土管などが埋め込まれています。
でんでん坂を下ると、右手にあるのが、江戸時代に廻船業を営んでいた問屋の屋敷「瀧田家」です。常滑市の指定文化財として保存されています。

登窯と煙突の風景
散歩道のメインの休憩所である「登窯広場」。子どもたちの笑い声が聞こえてきました。恰好の遊び場です。
そして、広場の隣には、展示工房館があります。

広場の反対隣には、大きな登窯と煙突群があります。この登窯は昭和49年までは実際に焼き物の生産に使用されていましたが、昭和57年に国内に国の重要文化財に指定されました。 中の様子です。
散歩道には煙突や窯がところどころに現れて、異国のような景観が楽しめます。

懐かしい昭和の風景も
そして現代的なごく普通の住宅地の奥を一歩入ると、昭和の街並みが今に残っているという時を超えたような不思議な感覚を覚えます。
幅広い世代におすすめ
Aコースの所要時間は約1時間ほどで、途中で休憩を入れながら無理なく散策できる距離です。
今回はAコースをご紹介しましたが、常滑焼とその歴史についてさらに理解を深めたいという方には、常滑焼を紹介する施設の見学を含むBコースもあります。
カップルから子供連れのファミリーまで、さまざまな方が散策に来ていました。外国人観光客にも人気ということです。性別や世代を問わず幅広くどなたでも楽しめる常滑市のおすすめスポットです。
※新型コロナウイルス感染症の対応に伴い、施設が閉鎖や一部使用できない可能性があります。
詳しくは該当施設の公式HP等をご確認ください。ご利用の際は、各自治体の方針に沿ってご利用ください。
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