こんにちは。長々続く妙興寺座禅体験編、いよいよクライマックスです。
過去記事の企画編、妙興寺潜入編と併せてお楽しみ下さい。
紆余曲折したものの、なんとか座禅会場に到着した我々。
ちらほら座禅参加者らしき紳士の姿も見られる。
特に受付等もないらしく、手慣れた調子で素足になり、雪駄に履き替えどこかへ向かっていく。
ジャンボ拍子木を打ち鳴らすおっさまが戻ったら聞いてみようと思ったが
カンカン打ち鳴らされる拍子木が近づいてくる気配もない。
見よう見まねで我々も雪駄に履き替え、会場へ向かった。
素足じゃない事がバレて叩かれるのはもっと辛い。
意を決して履き替えた。
その後ろでＹさんがタイツのまま雪駄を履いた事を私は見逃さなかった。
座禅会場は当然ながらしんとしており、まさか写真なんて撮っていられない雰囲気だったので
各個人でぐぐってくださいね。
夏ごろの座禅ならのどかな雰囲気で出来るのかもしれないが、我々が参加したのは２月だ。
日はすっかり落ちており、３０帖はゆうにあるであろう空間。（あの写真の様な畳ブースが３列位ある）に、
用意された照明は１つだけというなんとも薄暗い雰囲気である。
昔、悪さをすると閉じ込められていた倉庫を思い出す。
またしても入口付近でおっさまの登場を待ったが、
一向に現れないので総大将仕込みの常滑風座禅奥義で参加する事にした。
もう、何人かは手慣れた様子で座禅を始めており
我々も早速座禅を始めた。
しっかり座らなくては叩かれると思い、総大将を盗み見つつ基本フォーメーションを組む。
足、くっそ痛い。
ぇえーーー...Ｙさんは？と思い左を見ると、Ｙさんはふわっとしたロングスカートの為、
まったく足の組み方が目視出来なかった...。
これなら素足でない事もおっさまに見つからないだろう。
もしかしたら、中で正座しているかもしれない。
なんとかベスポジを発見し、いよいよ座禅ＴＩＭＥだ。
ぽやーっとする事には自信がある。
早速ぽやーっとする事に情熱を燃やし始めるが、
そんな頃おっさまが戻ってきた。
入口でちらりと電子機器を懐から出している。
えーっおっさままさかスマホ！？と思ったが、後で総大将に聞いたら照明らしい。
おっさまが帰って来たともなるといよいよ雑念がばれたら叩かれるかもしれない。
気を引き締めてぽやーっとせねばなるまい。
おっさま、まさかのスマホで多少同様したものの
平常心を保つ。
しかしながら、人間ダメだと思う事程してしまうのが性である。
こんな時に限って、手前で座禅していた紳士の頭髪が
照明にいい感じに照らされているのに気付いてしまったり、
私の座った座布団だけがモーセの如く真っ二つになっていたり
そんなわたしの雑念を感じ取ったのか、
おもむろにおっさまはスパーンと勢いよく、全ての窓や扉を開け放ち始めた。
暖房器具もないだだっ広い空間に、
後光の差した紳士を眺めながら座禅を組む。
なんと辛い修業だろうか。
開け放たれた空間からは勢いよく２月の風が舞い込んでくる。
これでは雑念も煩悩も凍ってしまいそうだ。
もう私には耐えるのコマンドしか残されていない。
口の端が笑っている事がばれればあのジャンボハリセンみたいな奴で叩かれるぞ。
そうこうにやにやしていると
ベスポジに収めたはずの足がだんだん痺れてくる。
一難去ってまた一難とはまさにこの事だろう。
もう私の脳内からはまったく雑念が出て行かない。
おっさまの隙を見て足を組み替える。
もうにやにやしながらもそもそしているので
まったく座禅の効果等ないのではないか。
そもそも座禅の後は焼肉とビール♡の時点で雑念しかないのだが...。
唐突に（推定）木魚が打ち鳴らされ、
会場内の緊張感がほっとゆるんだ。
目の前で照明に照らされていた紳士はこなれた様子で持参した本を読み始めた。
どうやら休憩時間のようだ。
我々はさっとアイコンタクトで、会場を後にした。
時間にして３０分程度だろうか。
私の初、座禅体験はこうして幕を閉じた。
"えっ？あいつらもう帰るの？？"みたいな視線が痛かった。
座禅が終わればお待ちかね、焼肉の時間だ。
行きの車内から腹を空かしていたＦ市が一人焼肉を待ちわびている。
広々とした駐車場にぽつんと停まった車で一人待つのはさぞ心細かろうと少し心配したが
マフラーでほっかむりをして居眠りしていた...。
ひと眠りし、空腹MAXなF市と行く焼肉の旅はまた後日!!
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